イソトレチノインについて|浅草駅前まつだ皮膚科|台東区浅草の皮膚科、美容皮膚科、小児皮膚科なら浅草駅前まつだ皮膚科|土日診療

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イソトレチノインについて|浅草駅前まつだ皮膚科|台東区浅草の皮膚科、美容皮膚科、小児皮膚科なら浅草駅前まつだ皮膚科|土日診療

以前の記事で解説したように数多くのにきび治療がある中で、最も有効性が高いと言われているイソトレチノイン内服治療について詳しく解説します。

にきびで悩んでいるけど、どの治療もあまり効かなかった

イソトレチノイン?初めて聞いた

イソトレチノインの名前は聞いたことがあるけど、どんな治療なのかわからない

どんな方でも読んでいただける内容です。

イソトレチノインの有効性、注意点について説明していきます。

また、日本ではイソトレチノインによる治療は保険適応外であることにつきご了承ください。

イソトレチノインとは

イソトレチノインはレチノイドと呼ばれるビタミンA誘導体物質の一種です。

イソトレチノインは多くの製品名があります。一例として画像を載せたアクネトレント以外に

ロアキュタン

イソトロイン

アキュテイン

等はいずれも有効成分は同じイソトレチノインです。

海外では重症のにきび(ざ瘡)に対して広く使われていますが日本では現在未承認のため保険適応外となります。

にきびに対して最も治療効果が予防できる薬剤なので、他の治療でなかなか改善しない方に対する次の一手となりうる薬剤です。

海外では体重1㎏あたり0.5㎎~1㎎(体重60㎏の場合30~60㎎)を毎日内服するのが標準とされていますが、

・最近はもっと少ない量でも同じ程度の効果が期待でき副作用が少ないという研究成果もあること

・これまで数百人以上の方にイソトレチノインを使用していただいた経験から日本人では20㎎くらいで効果が得られることがほとんどであること

から当院では20㎎/日での治療開始を推奨しています。

イソトレチノインの作用

イソトレチノインはにきびの治療に有効なだけではなく、治療終了後もにきびができにくくなることが特徴です。

一定期間(体重1㎏あたり120~140mg程度。体重50㎏の場合10か月程度が目安)内服を続けることで毛穴の詰まりや皮脂分泌が起こりにくい肌質になり、多くの方が治療前よりもにきびができにくい状態を維持することができます。

にきびの治療・予防ができる仕組みは主に以下の3つです。

  1. 皮脂腺や毛穴を収縮させることで皮脂分泌を抑える
  2. 皮膚のターンオーバーを是正することで毛穴の詰まりを予防する
  3. にきびの炎症自体を抑える

毛穴が詰まって面皰ができることがにきびの根本的な原因なので(以前の記事参照)、皮脂分泌を減らしターンオーバーを是正することで毛穴を詰まりにくくするイソトレチノインは理に適っていると言えます。

また、これらの作用から

・酒さ(顔の赤みや赤いぽつぽつ)

・脂性肌

・肌のごわごわ感

・顔の毛穴

の治療薬としてイソトレチノインを内服することがあります。

効果が出るまでの期間

イソトレチノイン内服を開始して2週~8週程度で目に見えてにきびが減ってくることが多いですが、もともとあった毛穴の詰まりに炎症が起こることで一時的ににきびが悪化することもあります。

治療開始当初は抗生物質(内服、外用)などを併用することもあります。

治療を続けると新しいにきびが出来にくくなり、一定期間内服したところで治療を終了します。

イソトレチノイン治療を終えたらどうなるのか

一定期間(体重1㎏あたり120~140mg程度)しっかり治療を続ければ、治療を終えてからも半分以上の方はにきびがほとんどできなくなると言われています。

元々のにきびが重症だった場合は1日おきに内服する期間を作ってから治療を終了したり、長く続けやすい薬剤(外用薬など)に徐々に切り替えたりと、綿密な作戦立てが必要になります。

イソトレチノインの副作用

にきびの治療・予防、皮脂の改善、毛穴の改善など多くの作用が期待できる薬剤ですが、副作用も起こりうるため医師による厳重な監督下での使用が必須です。

個人輸入での内服や、定期的な採血検査無しでの内服は避けることを推奨します。

皮膚や唇の乾燥

もっとも多い副作用で、特に冬場に治療を開始する場合はこの副作用が出ることを前提に治療を始めることをおすすめしています。

皮脂抑制、ターンオーバーの是正によりにきびに作用をする薬剤のため

・皮脂抑制による皮膚の乾燥、かさかさ

・ターンオーバーが是正されることによる乾燥感、かさかさ

が出ることがあります。

また鼻粘膜が乾燥することで鼻血が出やすくなったり、ドライアイ症状が出たりすることもあります。

イソトレチノインが正しく作用していることの裏返してもありますが、保湿剤やリップクリームによる十分な保湿が必要になります。

あまりにも乾燥が気になる場合、イソトレチノインの量を減らしたり1~2日おきの内服に減らしたりして調整をするケースもありますが多くの場合治療を継続することができます。

肝酵素上昇や脂質異常

稀ですが採血検査で肝臓に関連した値やコレステロール・中性脂肪に悪影響を与えることがあるため

・治療開始時

・治療開始後1ヶ月

・その後も3~6ヶ月おき

の採血検査が必要です。

催奇形性

他のレチノイドと同様に催奇形性の可能性があるため、女性は内服中および内服終了後1か月間は必ず避妊をする必要があります。

男性は内服中も避妊をする必要はないとされています。

また成長に影響を与える可能性があるため12歳未満の方は内服をすることができません。

12歳以上であれば一般的に内服可能ですが、やはり成長への影響が懸念されるため身長の伸びが止まってから、あるいは18歳以上になってから治療を開始する方が安全です。

その他の副作用

他の内服薬同様、体質に合わないとアレルギー症状、頭痛、吐き気、関節痛などが出現する場合があります。

稀ですが毛が抜けやすくなることが報告されています。

頭痛が続く場合や視力・聴力に違和感が生じた場合など、気になる症状があればいったん内服を中断してご相談ください。

また抑うつ症状など気分の変調をきたす可能性があります。近年の研究では関連がない可能性が高いことが報告されていますが、異常を感じたらいったん内服を中断してください。

イソトレチノインの費用

当院の価格設定は以下となっています。

料金(税込み)
イソトレチノイン20㎎30日分 15,400円
イソトレチノイン20㎎10日分 5,500円

イソトレチノインは副作用や使用上の注意がある薬剤であり医師の診察や検査を受けながら使用することが必須です。

重症のにきびに対して最も有効な薬剤で、他の治療では治らなかった数多くの方が改善する治療方法なのでとても重要な薬であることは間違いありません。

にきびでお困りの方は当院で気軽にご相談ください。